夕食の準備でバタバタしている時に限って、冷蔵庫の奥から賞味期限が切れたドレッシングや、干からびた野菜が出てくる……。
さらに、買ってきたばかりの卵パックを入れるスペースがなくて、無理やり押し込んだら「グシャッ」と割れて庫内が汚れてしまった。
「もう嫌だ! なんでうちはいつもこうなの?」
そんなふうに、冷蔵庫の前で立ち尽くしてしまった経験はありませんか?
私はあります。かつての私は、食材を腐らせては捨て、自己嫌悪に陥る「食材ロス常習犯」でした。
SNSで見るような「真っ白で生活感のない冷蔵庫」に憧れて、100均の白いカゴを並べてみたこともあります。でも、結果はリバウンド。中身が見えないせいで、余計に食材を腐らせてしまったのです。
そこで私がたどり着いた結論は、「映え」よりも「管理」を優先すること。
高い収納用品は必要ありません。100均グッズの選び方を「隠す」から「見える化」に変えるだけで、食材ロスはゼロにできます。
この記事では、ズボラな私でもリバウンドせずに続いている、100均グッズを使った「最強の冷蔵庫収納術」をご紹介します。
[著者情報]
👤 この記事を書いた人:井上 まりこ
冷蔵庫収納アドバイザー / 食材ロス削減プランナー
かつては「白い収納」にこだわりすぎて食材を腐らせていた元・ズボラ主婦。その失敗から「生活感を隠す」ことよりも「在庫が見える」ことの重要性に気づき、独自の「見える化収納術」を考案。現在はテレビ番組の監修なども務め、100均グッズひとつで家計と心を整える方法を発信している。
なぜ「白いカゴ」で失敗するのか?ズボラさんほど「見える化」すべき理由
「冷蔵庫を開けた瞬間、スッキリ白で統一されていたら気持ちいいだろうな」
その気持ち、痛いほどわかります。私も以前は、SNSで流行っていた「白い収納ケース」で冷蔵庫を埋め尽くしていました。
でも、私たち忙しい主婦にとって、「中身が見えない」ことは致命的なリスクなんです。
白いカゴに入れた納豆や豆腐は、視界から消えた瞬間に記憶からも消えます。そして数週間後、カビが生えた状態で発見されるのです。
「半透明」が食材ロスを防ぐ最強の武器
ズボラさんが選ぶべきは、おしゃれな不透明のボックスではなく、「半透明」や「メッシュ素材」のアイテムです。
「半透明・メッシュ素材」と「食材ロス」には、明確な対立・解消の関係があります。
中身がうっすら透けて見えることで、「あ、納豆がまだあるな」「賞味期限が近そうだな」と、冷蔵庫を開けるたびに無意識に在庫確認ができます。この「無意識の確認」こそが、使い忘れによる食材ロスを未然に防ぐ唯一の方法なのです。
今日から「隠す収納」の呪縛は捨てましょう。見えていていいんです。むしろ、見えていることが「正義」なのです。
【指名買いリスト】プロが選ぶ「冷蔵庫専用」100均神グッズ3選
では、具体的にどの商品を選べばいいのでしょうか?
100円ショップには無数の収納グッズがありますが、冷蔵庫で本当に使える「神グッズ」は限られています。ここでは、私が自信を持っておすすめする3つのアイテムを紹介します。
1. セリア「キレイストッカー」
これは冷蔵庫収納の革命児です。
最大の特徴は、しっかりとした「取っ手」がついていること。冷蔵庫は意外と奥行きがありますが、奥のスペースは手が届きにくく「死蔵ゾーン」になりがちです。
セリアの「キレイストッカー」は、この「冷蔵庫の奥行き」問題を解決する最適なツールです。
取っ手を持って引き出せば、奥にある納豆や豆腐もワンアクションで取り出せます。幅のバリエーションも豊富なので、入れたいものに合わせて選べるのも魅力です。
2. ダイソー「積み重ねボックス」
無印良品の商品にそっくりな、半透明のポリプロピレン製ボックスです。
汚れてもサッと洗える素材で、サイズ展開も豊富。何より「半透明」なので、中身が程よく見えます。細々した調味料や、使いかけの野菜をまとめるのに最適です。
3. ドアポケット用仕切り(各社)
マヨネーズやケチャップが、ドアを開けるたびに「バタン!」と倒れるストレス。これを解消するのが、ドアポケットに取り付ける小さな「仕切り」です。
チューブ類に「定位置」を作ることで、雪崩を防ぎ、家族も元の場所に戻しやすくなります。
家族が勝手に片付ける!リバウンドしない「セット収納」の魔法
「きれいに片付けても、夫や子供が適当に置くからすぐに散らかる……」
そんな悩みをお持ちなら、「セット収納(グルーピング)」を取り入れてみてください。
「朝食セット」で出し入れをワンアクションに
例えば、朝食で使う「ジャム、バター、ヨーグルト」などを、先ほど紹介した「キレイストッカー」やトレーにひとまとめにします。
これが「朝食セット」です。
「朝食セット」と「家族の協力」は、切っても切れない関係にあります。
バラバラに置いてあると、家族は「ジャムどこ?」「バターどこ?」と探し回り、使い終わったら適当な隙間に押し込みます。しかし、セットになっていれば、「トレーごと食卓に出して、トレーごと戻す」という単純作業になります。これなら、子供や夫でも迷わず元の場所に戻せるようになり、結果としてリバウンドしなくなるのです。
他にも「ご飯のお供セット(漬物、海苔、ふりかけ)」や「お弁当セット」など、用途に合わせてグルーピングしてみてください。
場所別・詰め込みすぎない「7割収納」のルール
最後に、収納量についての重要なルールをお伝えします。
それは、「冷蔵庫は7割収納を目指す」ということです。
余白が「冷気」と「心の余裕」を作る
スーパーの特売で安かったからといって、冷蔵庫をパンパンに詰め込んでいませんか?
実は、「7割収納」と「冷気循環」には、密接な原因と結果の関係があります。
冷蔵庫内にモノが詰まりすぎていると、冷気の通り道が塞がれ、庫内の温度が下がりにくくなります。その結果、電気代が余計にかかったり、食材が傷みやすくなったりするのです。
常に「鍋一つ分」くらいの空きスペース(余白)を作っておくことで、冷気が効率よく循環し、急な頂き物や作り置きを入れるスペースも確保できます。この「余白」が、あなたの心の余裕にもつながるはずです。
よくある質問 (FAQ)
100均グッズを使った冷蔵庫収納について、よくいただく質問にお答えします。
Q1. 100均のカゴは不衛生になりませんか?
A. 丸洗いできるプラスチック素材なら清潔です。
籐(ラタン)のカゴなどはカビやすいので冷蔵庫には不向きですが、今回紹介したポリプロピレン製のボックスなら、汚れても食器用洗剤で丸洗いできます。メッシュ素材のものを選べば、通気性も良く、冷気の循環も妨げないのでより衛生的です。
Q2. サイズが合うか不安です。
A. 必ず庫内の「奥行き」を測ってから買いに行きましょう。
特に「キレイストッカー」のような奥行きのある商品は、冷蔵庫のサイズによってはドアが閉まらなくなることがあります。買い物に行く前に、必ずメジャーで冷蔵庫の棚の奥行きを測り、スマホにメモしてから100円ショップへ向かってください。
まとめ:冷蔵庫が整えば、家計も整う。まずは「カゴ1つ」から始めよう
ここまで読んで、「これなら私にもできそう!」と思っていただけたでしょうか?
いきなり冷蔵庫全体を変える必要はありません。まずは、セリアで「キレイストッカー」を1つ買って、バラバラになっている納豆や豆腐をまとめてみてください。
それだけで、冷蔵庫を開けた時の景色が変わり、「あ、使いやすい!」と実感できるはずです。
冷蔵庫の中身が見えるようになれば、食材を腐らせることはなくなります。
食材を大切に使い切ることは、家計を大切にすることであり、毎日ごはんを作るあなた自身を大切にすることでもあります。
さあ、まずは100円ショップに行って、あなたの冷蔵庫を変える「最初の1つ」を手に取ってみてください。
[参考文献リスト]
- ESSE online「冷蔵庫収納のコツ」
- 消費者庁「食品ロス削減ガイドブック」
- Panasonic「冷蔵庫の上手な使いこなし方」

