仕事もプライベートも、いつも全力投球。でも、ふと気づくと、楽しみにしていたはずの友人との約束さえ、億劫になってドタキャンしてしまう…。そして、そんな自分に「私、何やってるんだろう」と落ち込む。
その自己嫌悪と疲労感、痛いほど分かります。
結論から言います。あなたは、もう十分に頑張っています。あなたに必要なのは、これ以上の努力ではなく、「頑張らない」ための、ほんの少しの勇気と技術です。
この記事は、かつて同じように燃え尽きる寸前だった私が、自分を許し、心からの笑顔を取り戻すために実践した、具体的な方法をお伝えします。
[著者情報]
この記事を書いた人
田中 友理 (たなか ゆり)
ライフコーチ / 元・外資系コンサルタント自身の「燃え尽き症候群」からの回復経験を基に、ライフコーチとして独立。現在は、20代・30代の働く女性を中心に、キャリアプランニングやワークライフバランス改善のセッションを提供。
[監修者情報]
本記事は、メンタルヘルスに関する情報を含みますが、医学的な診断や治療に代わるものではありません。心の不調が続く場合は、専門の医療機関にご相談ください。本記事は、厚生労働省「こころの耳」の情報を参照しています。
その頑張り、危険信号かも?あなたを蝕む「完璧主義」の罠
ライフコーチの田中友理です。毎日お疲れ様です。仕事も、プライベートも、いつも全力投球。本当に素晴らしいことだけれど、ふと「私、何のためにこんなに頑張ってるんだっけ…」と、心が空っぽに感じること、ありませんか?私もコンサル時代、まさにそうでした。
「リーダーだから、誰よりも働かなくては」
「先輩だから、しっかりしなくては」
「SNSで見るような、丁寧な暮らしをしなくては」
そんな無意識の「べき思考」に、心当たりはありませんか?
真面目で、責任感の強いあなただからこそ、知らず知らずのうちに自分に高いハードルを課してしまう。その思考の癖こそが、完璧主義の正体です。そして、管理されない完璧主義は、心と体のエネルギーを静かに蝕み、燃え尽き症候群という深刻な結果を引き起こす危険な原因なのです。
結論:「100点の私」を諦める勇気。「60点主義」で始める、新しい暮らし方
では、どうすればいいのか。その解決策は、意外なほどシンプルです。
それは、「100点の私」を諦める勇気を持つこと。そして、「60点主義」で、新しい暮らし方を始めることです。
仕事の世界を思い出してみてください。100点を目指して締め切りに間に合わないより、60点でもきちんと提出する方が、よほど評価されるはずです。
暮らしも全く同じ。完璧な食事を目指すあまり何も作れないより、60点のレトルトカレーでも「今日も食事を用意できた」と自分を褒めてあげる。その小さな達成感の積み重ねが、あなたの自己肯定感を取り戻す鍵なのです。
【実践編】明日から試せる、「ちょうどいい加減」を見つける3つのレッスン
頭では分かっていても、長年の癖はなかなか変えられないものですよね。そこで、明日からゲーム感覚で試せる、具体的な3つのレッスンをご紹介します。
レッスン①:「べき思考」あぶり出しワーク
ノートとペンを用意してください。「私が~べきだと思っていること」を、思いつくままに書き出してみましょう。
- 「リーダーだから、チームの誰よりも働かべきだ」
- 「先輩だから、後輩の相談はいつでも乗るべきだ」
- 「平日の夕食は、手作りするべきだ」
書き出したら、その横に「それって、本当?」「誰が決めたルール?」と、自分に優しくツッコミを入れてみてください。
レッスン②:「意図的な手抜き」家事レッスン
完璧主義の克服は、失敗しても影響が少ない家事から始めるのが鉄則です。今週、一つだけでいいので、「意図的な手抜き」を自分に許可してみてください。
- 夕食を、レトルトや冷凍食品にしてみる。
- 掃除機をかけるのをやめて、クイックルワイパーだけで済ませる。
- 洗濯物を畳まずに、ハンガーのままクローゼットにかける。
世界は、あなたが少し手を抜いても、何も変わりません。
レッスン③:「魔法の言葉」で上手に断るアサーション・トレーニング
「断れない」あなたのための、魔法の言葉は「一度、持ち帰らせてください」です。急な頼み事をされた時、その場で「はい」と言ってしまう前に、この一言を挟む癖をつけましょう。そして、断ると決めたら、相手も自分も尊重するアサーションの考え方で、こう伝えます。
「申し訳ありません。今、〇〇の案件で手一杯でして。ご期待に沿うクオリティでお応えできそうにありません。ただ、△△までならお力になれますが、いかがでしょうか?」
「でも、周りをがっかりさせたくない…」という、優しいあなたへ
「無理しないようにしたら、周りから『やる気がない』と思われないでしょうか?」
これは、私がセッションで最もよく受ける質問の一つです。
でも、考えてみてください。常に120%の力で走り続け、ピリピリしているあなたと、80%の力で、心に余裕があり、いつも穏やかに微笑んでいるあなた。周りの人は、どちらのあなたと一緒にいたいと思うでしょうか。
あなたが少し手を抜いたからといって、あなたの価値は1ミリも下がりません。むしろ、心に生まれた余裕が、あなたをより魅力的に見せてくれるはずです。
まとめ:あなたの価値は、完璧さでは決まらない
無理しない暮らし方とは、怠けることではありません。それは、本当に大切なことを見極め、そこにエネルギーを注ぐための、賢明な戦略です。
そして、あなたにとって最も大切なのは、他の誰でもない、あなた自身の心と体です。
この記事を読み終えたら、まずは今夜、夕食の食器洗いを明日の朝に回してみませんか?
そして、その5分で、温かいハーブティーでも淹れて、ただ、息をつく。
それが、「60点の暮らし」の、素晴らしい第一歩です。
[参考文献リスト]
- 厚生労働省 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」
- PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

